京都で就職や進学が決まり、東山区周辺で住む場所を探し始めた方も多いのではないでしょうか。歴史ある観光地として知られる東山区ですが、実際に住むとなると家賃や住環境について気になることがたくさんあります。
「京都の東山区は観光地が多いけれど、家賃相場はどのくらいなのかな」「東山区の賃貸物件は観光客が多い中で、日常生活に支障はないのかしら」といった声をよく耳にします。
このような疑問や不安を解消するためには、不動産会社に相談して物件の詳細情報と相場を確認することが大切です。東山区は地域によって家賃相場や住環境が大きく異なるため、エリアごとの特徴を把握しておくことで、より適切な物件選びができます。
この記事では、京都の東山区における賃貸物件の家賃相場をエリア別・物件タイプ別に解説します。また、人気エリアの特徴や物件を探す際のポイントもご紹介しますので、東山区での住まい探しにお役立てください。
京都・東山区の賃貸相場を徹底解説
京都の東山区は、観光名所と閑静な住宅街が共存する特徴的なエリアです。家賃相場は立地や物件タイプによって大きく変動し、1Kの場合で4万円から8万円ほどの幅があります。特に清水寺や祇園に近い観光地周辺は、利便性と人気から相場が高めに設定されている傾向にあります。
近年は新築・築浅のマンションやデザイナーズアパートの供給も増えており、住環境の選択肢が広がっています。一方で、風情ある町家を改装した物件も人気があり、伝統的な京都の暮らしを体験できる賃貸物件も充実しています。物件の種類や立地条件によって家賃は大きく異なるため、予算と希望の住環境をしっかり検討することが重要です。
エリア別の家賃相場
東山区の中でもエリアによって家賃相場には大きな差があります。最寄り駅から徒歩圏内の利便性の高いエリアでは、1Kタイプで平均6万円前後となっています。一方で、駅から少し離れた住宅街では4万5000円程度からの物件も見つかるでしょう。
清水寺や八坂神社など観光名所に近い東山区北部では、観光客の需要も高く1Kで7万円以上の物件が中心です。特に祇園四条駅周辺は、繁華街へのアクセスの良さから人気が高く、家賃相場も上昇傾向にあります。
| エリア | 1K・1DK | 1LDK・2K | 2LDK以上 |
|---|---|---|---|
| 祇園四条駅周辺 | 7〜9万円 | 9〜12万円 | 12万円〜 |
| 東山駅周辺 | 5〜7万円 | 7〜10万円 | 10万円〜 |
| 清水五条駅周辺 | 4.5〜6万円 | 6〜8万円 | 8万円〜 |
東山区南部の清水五条駅周辺は、比較的落ち着いた住環境が特徴です。観光地からやや離れているため、家賃相場は北部に比べて2〜3万円程度安く設定されています。
通勤・通学に便利な京阪本線沿線では、駅からの距離で家賃が変動します。徒歩5分圏内の物件は、10分以上離れた物件と比べて約1万円ほど家賃が高くなる傾向にあります。
古くからの住宅街である六波羅や河原町通沿いのエリアでは、築年数の経過した物件も多く、比較的リーズナブルな家賃で住まいを見つけることができます。ただし、町家を改装した物件は人気が高く、立地や設備によっては相場よりも高めの家賃設定となっているケースもございます。
物件タイプ別の家賃相場
東山区の賃貸物件は、マンション・アパート・町家など多様な物件タイプがあり、それぞれに特徴的な家賃相場が形成されています。
一般的なマンションの場合、築年数や設備によって家賃が大きく変動します。新築・築浅マンションは1Kで6万5000円から8万円程度が中心となっているのに対し、築10年以上の物件では4万5000円から6万円程度で借りることができます。
アパートタイプの物件は、マンションと比べてリーズナブルな家賃設定が特徴です。1Kタイプで4万円から5万5000円程度、2DKタイプでも6万円から7万5000円程度で物件を見つけることが可能でしょう。木造アパートは特に家賃が抑えめですが、防音性や断熱性には注意が必要です。
| 物件タイプ | 新築・築浅 | 築5〜10年 | 築10年以上 |
|---|---|---|---|
| マンション1K | 6.5〜8万円 | 5.5〜7万円 | 4.5〜6万円 |
| アパート1K | 5〜6万円 | 4.5〜5.5万円 | 4〜5万円 |
| 町家（2K以上） | 8〜12万円 | 7〜10万円 | 6〜9万円 |
デザイナーズ物件は、独特の外観や内装デザインが特徴で、一般的な物件より1〜2万円ほど家賃が高めに設定されています。特に東山区では、伝統的な町並みと調和したモダンなデザインの物件が人気を集めています。
東山区の特徴的な物件として、町家を改装した賃貸物件があります。町家物件は2K以上の間取りが中心で、家賃は6万円から12万円と幅広い設定となっています。立地条件や改装の程度、設備の充実度によって大きく価格が変動するため、内見時には細かなチェックが必要となるでしょう。
シェアハウスという選択肢もあり、個室を3万円台から借りることができます。共用部分の維持費や光熱費が別途必要となりますが、初期費用を抑えて東山区での暮らしをスタートできる点が魅力といえます。
東山区で人気の賃貸エリアと特徴
東山区は歴史的建造物が点在する京都随一の観光地であり、住環境と観光地としての魅力が調和したエリアとして注目を集めています。清水寺や祇園など有名な観光スポットに近い物件は家賃が比較的高めですが、静かな住宅街も広がっているため、ライフスタイルに合わせた選択が可能です。
観光地としての賑わいを楽しみたい方には東大路通や祇園周辺がおすすめですが、落ち着いた暮らしを望む方には清水五条駅周辺の住宅街が人気です。また、京阪本線や地下鉄東西線が通っているため、通勤・通学にも便利な立地となっています。
観光地周辺の住環境
東山区の観光地周辺は、伝統的な町並みと現代的な生活環境が調和した独特の住環境が形成されています。こうした地域に住むことで、京都ならではの文化や歴史を日常的に感じられる暮らしを楽しむことができます。
観光名所周辺の住環境の特徴として、観光客の往来が多い繁華街と、閑静な住宅エリアが混在している点が挙げられます。清水寺や祇園などの主要観光地に近いエリアでは、観光シーズンは特に賑わいを見せます。一方で、路地を一本入ると閑静な住宅街が広がっており、観光地の喧騒を感じさせない落ち着いた暮らしも可能です。
生活環境面では、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの日用品店が充実しています。観光客向けの商業施設だけでなく、地域住民の日常生活を支える施設も整っているため、買い物や通院などの便利さも魅力の一つとなっています。
ただし、観光地周辺ならではの課題もあります。特に休日は人通りが多くなるため、自転車や車での移動に時間がかかる場合があります。また、観光客向けの飲食店が多いため、日常的な食事に使える手頃な価格の飲食店を探すには、少し離れた場所まで足を運ぶ必要があるかもしれません。
防犯面については、観光客が多いエリアであるため、警察や地域のパトロールが頻繁に行われています。また、防犯カメラの設置も進んでおり、比較的安全な住環境が整備されているといえるでしょう。
伝統的な町並みを保全する条例により、建物の高さや外観にも規制があるため、歴史的な景観が守られています。このため、京都らしい風情ある街並みの中で暮らすことができ、四季折々の伝統行事や祭事も身近に体験できる環境となっています。
交通アクセスと生活利便性
京都・東山区の大きな魅力は、充実した交通アクセスと生活利便性の高さにあります。地下鉄東西線と京阪本線が区内を走り、主要駅から京都市内の中心部まで10分程度でアクセスできます。
東山区の交通網は、観光客だけでなく地域住民の生活も支えています。京阪本線の祇園四条駅や清水五条駅、地下鉄東西線の東山駅を利用すれば、京都駅や河原町駅へのアクセスも便利でしょう。また、市バスの路線も充実しており、区内の移動手段が豊富に用意されています。
生活利便施設も東山区には数多く点在しています。特に京阪沿線には、スーパーマーケットやドラッグストア、コンビニエンスストアなどが揃っているため、日々の買い物に不自由することはありません。東山区内には複数の商店街があり、地元密着型の商店で新鮮な食材を手に入れることができます。
医療機関も充実しており、総合病院から個人医院まで選択肢が豊富です。教育施設については、公立・私立の小中学校が適度な距離に配置されているほか、図書館や文化施設へのアクセスも良好となっています。
一方で、観光地ならではの特徴として、繁忙期には観光客で賑わう地域もあります。特に清水寺や祇園周辺では、観光シーズンの人出が多くなることを考慮に入れておく必要があるでしょう。ただし、観光スポットから少し離れた住宅街では、静かな暮らしを楽しむことができます。
交通の利便性と生活インフラの充実度を考えると、東山区は単身者からファミリーまで幅広い層が暮らしやすい環境が整っているといえます。物件を選ぶ際は、通勤・通学のルートと日常生活の動線を意識しながら、最適な立地を探してみましょう。
東山区で賃貸物件を探すポイント
東山区で賃貸物件を探す際は、観光地ならではの特性を理解したうえで、物件選びを進めることが重要です。とくに年間を通して観光客が多いエリアでは、観光シーズンの騒音や混雑を考慮に入れて物件を選ぶようにしましょう。
物件の内覧時には、家賃だけでなく初期費用や生活環境も含めて総合的に検討することをおすすめします。観光地に近いエリアは家賃が高めになる傾向がありますが、交通アクセスの良さや生活利便施設の充実度など、住む場所としてのメリットも多く見られます。物件タイプや立地によって家賃や初期費用が大きく異なるため、予算と相談しながら自分に合った物件を探してみてください。
初期費用の目安
東山区で賃貸物件を契約する際の初期費用は、一般的な家賃の3〜4ヶ月分を見込んでおく必要があります。特に観光地エリアの人気物件では、初期費用が高めに設定されているケースが多いので注意が必要でしょう。
具体的な初期費用の内訳を見ていきましょう。まず敷金は家賃1〜2ヶ月分が一般的です。礼金も1ヶ月分程度必要となり、特に清水寺や祇園付近の観光地エリアでは2ヶ月分を要求される物件も見られます。
仲介手数料は家賃1ヶ月分とその消費税が標準的な相場となっています。その他、火災保険料（2年で約15,000円程度）、鍵交換代（15,000円〜20,000円）、保証会社加入料（家賃半月分程度）などが必要です。
例えば家賃6万円の物件の場合、以下のような初期費用の試算となります。
- 敷金：60,000円（1ヶ月分）
- 礼金：60,000円（1ヶ月分）
- 仲介手数料：66,000円（1ヶ月分＋消費税）
- 火災保険料：15,000円
- 鍵交換代：18,000円
- 保証会社加入料：30,000円
上記に加えて入居月の日割り家賃と翌月分の家賃が必要となるため、合計で30万円前後の初期費用を準備しておくと安心です。東山区の賃貸物件は観光地に近いことから、一般的な居住エリアと比べて初期費用が若干高めに設定されている傾向にあります。
物件によっては、敷金・礼金が不要のいわゆる「0円プラン」を提供している不動産会社もあります。ただし、その分家賃が割高に設定されていることもあるので、長期入居を考えている場合は総支払額を比較検討してみましょう。
おすすめの物件タイプ
東山区の賃貸物件で特におすすめなのは、京都の伝統的な魅力と現代の快適さを兼ね備えた物件です。具体的には、町家を改装したリノベーション物件や、和モダンテイストの新築マンションが人気を集めています。
住環境と予算のバランスを考慮すると、以下のような物件タイプがおすすめとなるでしょう。古き良き京都の雰囲気を大切にしながら、設備面では現代的な快適さを追求した物件が増えてきました。
| 物件タイプ | 特徴 | 家賃目安 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| リノベーション町家 | 伝統的な外観と現代的な内装 | 7〜12万円 | ★★★★★ |
| デザイナーズマンション | 和モダンな雰囲気と充実設備 | 6〜10万円 | ★★★★ |
| 築浅マンション | 清潔感と利便性重視 | 5〜8万円 | ★★★★ |
特に人気が高いのは1LDKタイプの物件です。京都での暮らしを楽しむために十分な広さがあり、家具の配置もしやすく、来客時にも対応できるスペースを確保できます。また、収納スペースが充実している物件も多く、季節ごとの衣類や生活用品をスッキリと片付けることができます。
単身者向けには、バストイレ別で独立洗面台のある1Kタイプがおすすめです。最近の物件は天井が高く、京都らしい意匠を取り入れた内装で、限られた空間を有効活用できる造りとなっています。
カップルや家族向けには、リビングダイニングが広めの2LDK物件が人気です。伝統的な和室と洋室を組み合わせた間取りで、京都の四季を感じながら快適に過ごせる空間を提供しています。
なお、東山区では古い町家を改装した物件も多く存在しますが、築年数や構造上の特徴から、防音性や断熱性に課題がある場合もあります。そのため、内見時には水回りの設備や収納、防音性能などをしっかりと確認することをお勧めします。
まとめ
京都・東山区での賃貸物件探しにおいて、家賃相場や住環境について重要なポイントを確認してきました。
東山区の賃貸市場では、観光地に近いエリアほど家賃が高めに設定されている傾向にあります。一方で、駅から少し離れた場所では、比較的リーズナブルな家賃で物件を見つけることができるでしょう。
物件を探す際は、観光地周辺の住環境や交通アクセス、生活利便性などを総合的に検討することが大切です。特に、観光シーズンの人出や騒音といった環境面にも注意を払ってみましょう。
初期費用については、敷金・礼金などの一般的な費用に加えて、京都特有の文化や慣習による費用が発生する可能性もあります。事前に不動産会社に確認して、予算計画を立てることをおすすめします。
東山区での理想的な住まいを見つけるためには、自身のライフスタイルや予算に合わせて、エリアと物件タイプを絞り込んでいくことが賢明です。この記事で得た知識を活用し、ぜひ満足のいく物件探しを進めてください。
